現物出資に伴う評価
現物出資とは
現物出資とは、株式の発行価額に相当する金銭以外の財産を出資して、株式を取得することです。
現物出資を行う場合、資本充実の原則に基づき、取得する株式の価値に見合う出資であることを確認する必要があります。つまり、現物出資する財産が、株式の発行価額に相当する経済価値を有していなければ、債権者保護に反することになってしまいます。
そこで、現物出資に際しては、原則として以下のような規制を受けます。
新会社法による規制
現行商法では、既存の会社で現物出資が行われる場合、裁判所が選任する検査役の調査が必要ですが、一定の場合、この調査は不要となります。
新会社法においても同様ですが、以下のように例外が拡大(緩和)されています。
現行商法 | 新会社法 |
現物出資者に割り当てる株式の総数が発行済株式総数の1/10を超えず、 かつ新規に発行する株式数の1/5を越えないとき |
現物出資者に割り当てる株式の総数が発行済株式総数の1/10を超えないとき |
現物出資する財産につき募集事項として定めた価額の総額が、500万円を超えないとき | 現物出資する財産につき募集事項として定めた価額の総額が、500万円を超えないとき |
財産が取引所の相場がある有価証券で、その有価証券について募集事項として定めた価額がその相場を超えないとき | 財産が市場価格のある有価証券で、その有価証券について募集事項として定めた価額がその市場価格を超えないとき |
現物出資する財産につき募集事項として定めた価額が相当であることについて、弁護士・公認会計士・監査法人・税理士などの証明を受けたとき | 現物出資する財産につき募集事項として定めた価額が相当であることについて、弁護士・公認会計士・監査法人・税理士などの証明を受けたとき |
現物出資する財産がその株式会社に対する金銭債権(返済期が到来しているもの)であって、当該金銭債権につき募集事項として定めた価額が当該金銭債権に係るその株式会社の負債の帳簿価額を超えないとき |
専門家による証明
土地・建物等を現物出資する場合、不動産鑑定士の鑑定評価など専門家による適正な評価が与えられている場合などは、検査役の調査を必要としません。
不動産価格は市場価格のある有価証券等とは異なり個別性が強いため、適正な価格を把握するためには、中立的・客観的な不動産鑑定評価が必要となります。
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